支援内容 独立診断士業

専門領域どうやって決めた?Part III

 あけましておめでとうございます。新潟の新米中小企業診断士の楠正久です。
 専門領域、専門分野の話、今回で最後です。

 ちょっと頑張って書いちゃったので、今回はタイトルを変えてみました。

ステップアップ

中小企業診断士の専門領域の決め方

Part III

前回まで

 前回までで強み、機会、脅威を出した感じです。ここからSWOT分析にかけていきます。
 あ、弱みは今まで書いてなかったけど、もちろん中小企業診断士として実務経験に乏しい、ですな。

SWOT分析

ところでSWOT分析ってなあに?

SWOT分析とは

 現状把握とその後の計画立案のために利用、組織の強み、弱み、機会、脅威を分析する手法です。強みと弱みは、組織内部の要因であり、機会と脅威は組織外部の要因です。

 組織の強みを活かし、弱みを克服し、機会を活用し、脅威を回避する戦略を策定することができます。企業だけではなく、非営利組織や個人でもなんでも活用できる分析手法です。

 そんなわけで自分のためにやってみました。結果がこちら。

Strength(強み)

  • マーケティング経験
  • 商品企画開発経験
  • ブランドマネージャー経験
  • 輸出入関連経験
  • WEB関係、DXの経験

Weakness(弱み)

  • 中小企業診断士の実務経験が乏しい

Opportunity(機会)

  • DXは社会課題であり、WEB関係の需要も増えている
  • 企業再生の需要が高まっている
  • 海外展開関係は競合が少ない
  • 売上に悩む事業者が多い

Threat(脅威)

  • マーケティングは競合が多い
  • 今後診断士は増加していく傾向にある 
  • 補助金申請が落ち着いた

 おお・・・我ながらなんとわかりやすい。このSWOT分析、これまで散々やってきましたが、自分でやるのが1番ハッとしますねえ☺️
使われやすいわけですな。

クロスSWOT分析

 というわけで、SWOTが終わったので、次に打つ手を決めるべく、クロスSWOT分析をしまーす。

クロスSWOT分析とは

 SWOT分析の4つの要素を掛け合わせることで、組織の強みを活かした戦略や、弱みを克服するための戦略を導き出す手法です。具体例としては、強み×機会では、強みを活かして機会を最大限に活用する戦略を検討します。

 SWOT分析をより深く活用するための手法として、ビジネス戦略やマーケティング戦略の策定に用いられます。

 表にするとこんな感じですね。

強み×機会(S×O)
積極攻勢
弱み×機会(W×O)
改善
強み×脅威(S×T)
差別化
弱み×脅威(W×T)
撤退

 セオリーとして、強みと機会が合わさった作戦を取ります。

強み×機会(S×O)

  • DXは社会課題であり、WEB関係の需要も増えている × WEB関係、DXの経験
  • 輸出入関連経験 × 海外展開関係は競合が少ない

 うんうん。このあたりはいけそうな感じかな。この辺は素直に謳って、勉強を続けて、さらに深掘りしよっと。

脅威にぶち当たったので差別化

 ぶっちゃけ1番自信があるマーケティング領域。機会が・・・ない。むしろ脅威じゃーん🥺

 商品企画開発とブランディングは結構自信あるんだけど・・・。

 いっそマーケティングを捨てる・・・?いや、ここが1番の自分の武器だと思う。捨てるなんてとんでもないよなあ。

強み×脅威(S×T)

  • マーケティング経験 × マーケティングは競合が多い

 これ、どう差別化すればいいんだろう・・・。

 データ分析かな?養成課程に通って気づいたけど、自分、結構データ分析ができるみたい。年がら年中ではないけど、営業の時は棚割あるたび、企画に行っても定期的に分析してたもんね。

 よし、データ分析をベースに差別化だ!

 ・・・いやちょっと待てよ?「うちなんもデータないよ!」とか思われるとそもそもお話が来ないよね・・・。ぐぬぬ。。。☹️

顧客目線で考えてみる

 量販店相手の営業をしていたとき、担当バイヤーから「分析するときはお客さんが店に入ったら何が欲しいかから考えなさい」と教えられました。お客さんは本当に緑茶が欲しいの?お茶が欲しいの?それとも飲み物が欲しいの?そういうことを1から叩き込まれました。その観点から考え直してみます。

 お客さんが欲しいのは本当にマーケティングなのだろうか。マーケティングできる人が本当に欲しいのかな?それとも・・・あれ?これ、いわゆるお客さんが欲しいのはドリルですか穴ですか問題じゃん😳

キャリアをもう一掘りして強みを見つける

 前職は規模の小さい会社ではなかったんだけど、マーケティング部がなかった。だから、あれもこれも自分でやらないといけなかった。今だってWEBサイトを作っている。それはなんのためにやるんだろう。そりゃ売上あげるためだよね。根拠が適当じゃ数字も営業もついてこないもの。

 あれ?あくまでマーケティングは手段であって、お客さんが本当的に欲しているのは売上をどうやってあげるかというスキルなんじゃないのか?そして、これ、正直自信あるぞ。

 マーケティングの定義次第だけど、自分は首までマーケティングに浸かっていたと言える。別にマーケティング部だったわけではないから、むしろマーケティングというより売上あげると言った方が自分としても自信持って言える。メーカーという川上から、小売という川下まで全部知ってるしね。・・・あれ?もしかして、この強みに気づけてなかった??

見落としていた強み

  • メーカー、卸、小売店視点で川上から川下まで、売上拡大に従事してきた

 そもそも、マーケティングという言葉は人によって受け止め方が違う。また、「マーケティングの専門家というと伝わる印象が人によって全然違うので、売上拡大の専門家を名乗っているという」旨を読む。これだ!

強み×機会(S×O)

  • メーカー、卸、小売店視点で川上から川下まで、売上拡大に従事してきた × 売上に悩む事業者が多い

 こいつに決定!

 そもそも、アメリカですらマーケティングはしばしばプロモーションと混同されるってあのコトラーも本に書いていた。じゃあマーケティングという言葉をあんまり全面に出すのはやめよう。売上をあげる。売上拡大。これだね。広告代理店はもちろん、いわゆるマーケティング会社とも差別化できるはず。

もう「ひとしぼり」します

 よし、見えてきたぞ。もう少しセグメントをしぼる。「誰に」にフォーカスしてみます。雑貨業界・・・だとちょっとしぼりすぎかな・・・。もうちょい広くして・・・ということで、川上から川下まで携わってた、消費財業界に決定。メーカーも卸も小売も国内も国外もネットもリアルもわかるしな。

専門領域、決めました

というわけで、専門領域はこんな感じです。

開業当初の専門領域

  • メインの柱は消費財業界の売上拡大
  • サブの柱として、WEB関連と海外展開関連
  • さらにサブとして商品開発、ブランディング、販促などマーケティング全般(狭義)

開業当初の専門領域のイメージ

スタメン

メインの柱

控えの柱

控えの柱
  • その他狭義のマーケティング全般

 こんなイメージですな。売上拡大の柱は絶対に変えないけど、サブの柱は顧客のニーズによって変えたりしようかなと思っておりますよー。特に海外展開は場所によって出したり引っ込めたりかな。

 そんで作ったチラシがこんな感じ。柱は売上一本に絞って強めにアピール。WEBは吹き出しで強めに、そして海外展開の話は一番左下の目につくところにあえて置いてみましたぜ。

チラシ新

これからやること、やりたいこと

 これからはこんな感じです。

やること

  • 商品の開発
  • 貿易関係・WEB関係の知識補充
  • マーケティング関連深化、特に価格・値付けに先鋭化

やりたいこと

  • 企業再生
  • 事業承継

 やらないといけないのは、なんといっても、商品の開発がマストですよねー。「どのように」に当たるところですな。とりあえず、セミナーのネタを考えておりますよー。これも養成課程で気づかされたけど、人前でしゃべるのは得意かもしんない。元来口下手なんですけどね。

 実はブログも、セミナーのネタ考えるのにいい訓練になるかしらと思ったのが始めた理由の一つだったり。

 そしてやりたいこと。前職で悲しい廃業を目にしてきたのが診断士を取ろうと思ったきっかけ。

 詳しくは書きませんが、地域でそれ作れる工場無くなっちゃった、とか、子供さんから電話口で泣きながら「迷惑かけてごめんなさい」って言われたりしたんだよ・・・。そういう悲しい出来事が少しでも減らせればうれしいな。

専門領域を決めて

 売上拡大を専門領域にするのは正直少し勇気がいる。売上って結果だから。いつもいつも売上がいくとは限らないのは身をもって知っている。だけど、今まで売上あげることを第一に考えて仕事してきて、大体はなんとかしてきた。弱気になってどうする!と思ってこれをメインに据えました。

 今回専門領域を決めるにあたって、いろいろな本やブログを読んだりしました。SWOT分析は診断士2次試験でもお馴染みなんだけど、専門領域決める時にSWOT分析しようと書いてあるの、意外とブログとか本で見ないんですよねぇ。

 コンサル業界や金融機関にいた人は別なのかもしれないけど、どうしても業界入る前の限定された情報になっちゃって、外部環境の情報が弱くなっちゃうけど、それでも絶対やった方がいいと思いました。自分のことでやると、すごく客観的に見れるよ。

 アピールすることをしぼるって、すっごい勇気がいる。前職の商品開発の時は、これはメイン機能じゃないからパッケージで訴求しなくていいやとかカタログはこの商品載せなくていいんでこっちもっと大きく載せてくださいとか、余計なものをバッサバッサ切れてたけど、自分のことだと勇気がいります。顧客の情報が前職より明確じゃないのも大きな理由だと思いますが。経営者の方とお話をするときに心得ねば。

 あとね、診断士登録前に終わらせておくべきですね、これ。
 うん。知ってた😇

 受かったら登録前にSWOTしようぜ!

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